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チップ立ち(マンハッタン現象)の原因と対策|SMT実装不良ガイド


チップ立ち(マンハッタン現象)対策 — はんだペーストの状態が起点
マンハッタン現象対策の半分はペーストの状態管理

チップ立ち(マンハッタン現象)とは

チップ立ち(マンハッタン現象)とは、両端電極の小型部品がリフロー時に片端だけ先にはんだが溶け、表面張力で垂直に立ち上がってしまうSMT実装不良です。英語圏ではtombstoningと呼ばれます。微小チップ(0402・0201・01005)になるほど発生しやすく、量産品質の課題として残り続けやすい不良の一つです。

発生メカニズム

原理はシンプルで、「両端のはんだが同時に溶けない」とき、先に溶けた側の表面張力で部品が引き起こされます。同時に溶けない理由を作るのが下記の要因群です。

主な原因(5要因)

要因具体例
パッド設計左右の大きさが違う、片側だけ太い銅箔配線につながる
温度差(熱容量差)片側に大型部品・グランド層が近い → 暖まりにくい
ペースト量の左右差メタルマスク開口の左右非対称、印刷ずれ
ペースト劣化期限切れ・解凍不良 → 片側だけ濡れ性低下
大型部品の影大型ICの隣の微小チップが加熱遅れ

対策の優先順位

  1. パッド設計の見直し:左右の熱容量を揃える。配線の引き出し方を対称に。
  2. メタルマスク開口の最適化:左右で同じ量のペーストが乗るように。stencil設計を見直す。
  3. 温度プロファイル:均熱(ソーク)時間を長めに取り、基板内温度差を縮める。温度プロファイル設定を参照。
  4. ペーストの状態管理:期限・解凍時間の記録を徹底。はんだペースト保管の自動化が効きます。
  5. 大型部品の隣の微小チップ:意図的にプロファイルを「長め」に振る、または配置を見直す。

記録がなければ再発はゼロにできない

マンハッタン現象は「再発する不良」の代表格です。発生時のペーストロット・開封日・解凍時間・温度プロファイルが記録されていれば、原因切り分けは数時間で終わります。記録がなければ毎回ゼロから調査することになります。SMD BOX SPのような専用ペースト管理機材は、まさにこの記録を自動化するための装置です。

よくある質問

チップ立ち(マンハッタン現象)とは?

チップ抵抗・コンデンサなど両端電極の小型部品が、リフロー時に片端だけ先にはんだが溶け、表面張力で部品が垂直に立ち上がってしまう不良です。墓石(tombstone)とも呼ばれます。0402、0201、01005のような微小部品で起きやすい現象です。

マンハッタン現象の主な原因は?

両端のはんだが同時に溶けないことが直接原因で、その背景は(1)パッド設計の左右差、(2)パッド間の温度差(熱容量差・配線パターン)、(3)ペーストの片側不足・片側過多、(4)ペーストの劣化による濡れ性低下、(5)大型部品の影による加熱遅れ、などです。

マンハッタン現象の対策は?

パッド設計で左右の熱容量を揃える、ペースト量を左右で同じにする(メタルマスク開口の最適化)、温度プロファイルの均熱(ソーク)時間を見直す、ペーストの保管・解凍管理を徹底する、が定石です。微小部品ほど対策の効果が出やすい工程です。

マンハッタン現象とトームストーン(tombstone)の違いは?

ほぼ同じ現象を指します。日本では「チップ立ち」「マンハッタン現象」、英語圏では「tombstoning」「drawbridging」と呼ばれ、いずれも部品が垂直に立ち上がる不良の意味です。